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院長の臨床メモcolumn

2011.10.24

透析患者さんと介護保険

介護保険制度が始まって11年がたちます。

昨年度から認定基準が厳しくなり、よく認定度が下がったという声が聞きます。

実際、要介護1が認知症と症状不安定な状態の場合のみ認められ、それ以外の要介護1の方は要支援1-2となってしまいます。

透析患者さんはどうか?

透析患者さんは幸いに特殊な治療の項目で「透析」という項目があるので点数に加算され、下がりにくいと思います。

実際、当院でも認定度はあまり下がっていません。

もちろん、患者さんも1年ごとに年を召されるのでどうしても認定度(介護度)は上がる傾向にあります。

透析患者さんでよく利用されるのが訪問介護と通院乗降介護です。

クリニックや個人病院では送迎がもはや当然のように行われています。

しかしどうしても家の中までというのは駐車状況や他の患者さんもいますので実際は不可能です。

ですから送迎までの介助が必要になることが多いです。

問題は透析後の介助です。

透析のない日や透析前の状態がたとえ要支援1-2レベルでも透析中の血圧低下や透析後の倦怠感で要介護1-2となってしまう特殊性があります。

透析が特殊治療項目であるため、介護保険でも認識されていると考えるが、患者さんの状況と認定が異なる場合は再認定の必要を考慮しなければならない。

要介護4-5など送迎車を含めた通院送迎となるケースはまだ少ないように思えます。

しかし透析患者さんに限らず要介護の方は増えてきています。

身体を動かすこと、廃用予防や活動的な生活を行うよう支援する予防事業は今後、真剣に考えて行かなければならないと思います。

透析も医療と介護の連携をしっかり組みながら、患者さんの自宅での状態、ADLなど含めた情報を把握していく必要があると考えます。

そうしないと廃用で動けない、動けないので認知症が出現してしまう、あるいは進行してしまう、こけやすくなって骨折してしまう、透析がもっとつらくなってしまう。。。

などの透析、日常生活全般的な身体・精神的能力が低下してします。

どういう風にすれば医療と介護の両面から患者さんを把握、サポートできるかを真剣に考えなくてはなりません。