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院長の臨床メモcolumn

2022.02.05

みなし陽性

オミクロンによる感染者の爆発的増加を受け、検査せずに医師の判断などで感染者とみなせる「みなし陽性(疑似症)」の仕組みが始まっている自治体がある。

兵庫県では実施されていない。

開業医が関与するみなし陽性のパターンとして

①自分で抗原検査陽性で、クリニック受診し、検査をせずに、陽性とみなす

②家族に感染者がいて、自分も発症しクリニックに受診し、検査せずに陽性とみなす

このみなし陽性は「疑似例」として発生届けも必要となる。

確かにコロナ陽性ではなく疑似症例ではあるが、陽性としてカウントされる。

 

みなし陽性と通常の陽性の何が違うのか?

もちろん、検査している、していない。

それ以外に、陽性の場合は就業制限が付くが、みなし陽性では就業制限はない。

でも2類感染症なので自宅療養が必要になる。

???

自宅療養が必要ということは就業制限ではないのか?!

よく理解できない内容である。

 

まあ、それはいいとしても、治療面での違いは、

「みなし」ということだけあって、抗体療法やラゲブリオなどのコロナに特化した治療は受けれない。

さすがに治療が必要な場合は検査で診断する必要がある。

この違いは大きい。

だから、我々はコロナの治療が必要な場合は検査を行う必要がある。

 

しかし、思うことは2類感染症なのに、家族が陽性だから、自分の抗原検査で陽性だからといって、医療機関で検査せずに、「みなし」とはいえ陽性って。。

5類のインフルエンザでも「みなし陽性」っていう基準がない。

医療ひっ迫は理解でき、検査体制もマヒしているのは理解しており、、オミクロンシフトで基準は変わっているが、2類感染症の枠は変わらない。

高齢者に感染者がシフトしてきている今、2類を外すことはないが、どこかで外さないと、あるいは基準を緩和しないと(対象を絞る)社会が崩壊してしまうだろう。

今は感染者数だけではなく、医療従事者の陽性や濃厚接触者による休業制限の問題もある。

当地も例外ではない。