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院長の臨床メモcolumn

2011.09.05

体重を残すということ・・・

透析中に血圧が下がる患者さんは特に透析後しんどいと思います。

しかし、透析で血圧が下がってしんどい方ほど、ドライウェイトまでは引きたいという思いは強いのかもしれません。

食事も抑えて、透析もここまで頑張ったんだからせめて体重だけは引いて、すっきりして帰りたいという思いでしょうか。また、ドライウェイトまで引いておかないと食事や水分を取れないという思いからでしょうか。

ドライウェイトってそもそもなんだろうなあって思います。

定義としてはわかりますし、検査方法もわかります。

ただドライウェイトは患者さんの体重ということは間違いありません。

健康な方は体調によって1kgくらい変動します。毎日全く同じ体重の方はいないと思います。

透析患者さんの体重は決まっています。

その体重まで引かなければならないという思いは強いと思います。おそらくその思いは透析スタッフも同様です。

我々も、患者さんもドライウェイトまで~必ず引かなければならないという積み重ねが絶対に火掛けなければいけないという固定観念につながったのだと思います。

私はもう少し柔軟に考えてもいいのだと最近思うようになりました。

ドライウェイトの設定は私としてきちんとすべきであるという考えは今も変わりありません。

ドライウェイトの設定も重要ですし、体重をキチンと引いて帰ることも重要ですが、たとえ目標通りきちんと引けなくても透析後すぐに帰ることができるくらい、ある程度楽に帰ってほしいのです。

誰もが毎日同じ体重ではありません。透析患者さんも毎回同じ体重で終わる必要はありません。

透析前に体調が良くても透析中に変わることもあります。

体重が残ることは本当に嫌ということは何回も聞きます。患者さんの思いももちろんあります。

それだけにいいにくいことですが、体調を重視し少しくらいは気にせず残してもいいのではないかと思います。