「腎と透析」という医学雑誌の2011年3月号に栄養状態が良くない透析患者さんへの腎不全用のアミノ酸製剤を使用した効果について掲載されていました。
ネオアミューは透析患者さんにもよくつかわれる輸液で200mlの中にアミノ酸が12.2g含まれています。
今回の論文はネオアミューを透析中に点滴して、患者さんはどのような効果を得たのかがポイントになります。
栄養状態に関しては著明に改善したのは6.4%で有効率は61.9%と非常に高いものでした。
栄養の指標である血清アルブミン値も蛋白値も使用後には有意に数値が上昇していました。
貧血がある人(Hb10g/dl未満)の方もネオアミューの点滴をすると有意に貧血の数値が回復傾向に向かいました。また貧血がないHb10g/dl以上ある方は貧血の注射であるエリスロポエチン製剤の使用量が減ったという結果が出ました。
ネオアミューを点滴することにより栄養状態の改善だけではなく貧血も改善する可能性があります。
また患者さん自身の症状にもいいようです。
栄養状態が悪いとどうしても「しんどい」、「疲れやすい」、「食欲がない」などの症状が出てきますがこれらの症状もよくなりました。
以前にMIA症候群のお話を少ししまいた。
栄養不良ー炎症ー動脈硬化。。。
今回は栄養のお話でしたが、このネオアミューという点滴を通して栄養補給により貧血がよくなったという報告はMIA症候群という病態を考える上で非常に重要だと改めて思いました。
ネオアミューに限らず栄養管理は医学管理の根本だと思いました。