(概要)
-PEKTは米国を中心に1990年台から増加傾向にある
-狭義のPEKTはHD、PDを行わず、PEKTを行うこと。広義のPEKTは短期間HD、PDを行った後、PEKTを行うことである。(HDは血液透析、PDは腹膜透析)
-日本でも増加傾向であるが、術後の合併症が少なく、生存率や移植腎生着率の成功率も良好である。
-日本では生体腎移植のうち、狭義PEKTが31.2%、広義PEKT42.1%と比較的多い
-広義のPEKTで透析導入後60-180日間であれば、狭義PEKTと治療成績は遜色ないという結果がある。
-移植時の腎機能は、移植腎に影響しない
-PEKTを考えるタイミング:慢性腎臓病ステージ4
(感想と印象)
-これまで4人の方のPEKTを経験
-3人は透析導入前に実施可能、1人は透析導入後約半年で施行【狭義3人、広義1人】
-ドナー、レシピエントの同意は得ていることが多いが、両者ともに内視鏡など含めた全身の精査、ワクチンなど約半年、場合によってはそれ以上の検査が必要となることがあるため、治療者側には早めの説明が必要と思われる。
-慢性腎臓病ステージ4のタイミングでは現場では早いと考えていたたためクレアチニン5を目安に考えていたが、実際間に合わないケースもあった。
-できる限り透析導入前に腎移植を行う方がいいと思われるが、透析導入しないことをありきではなく、拙速に行うべきではない。きちんと精査し、万全を期してから行うべき治療であるからである。また、仮に、透析導入を行ったとしても移植腎への影響は少なく、さらに、透析を経験しておくことで、移植後の食事療法を含めた生活にも良好な影響を与えるものと考える。