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院長の臨床メモcolumn

2011.10.04

長時間作用型エリスロポエチン製剤の使用について

効果時間の長いエリスロポエチン製剤が発売されました。

これまで短時間型のエポジンを使用しておりました。

エポジンは19-24時間の半減期に対して、この長時間作用型の方は140時間と大幅に延長しました。

そのため投与期間(維持投与の場合)が1カ月に1回でも十分に効果を発揮するようです。

エポジンを高用量(4500単位/週)の方はミルセラ150μg。

エポジンを低用量(4500単位未満/週)の方はミルセラ100μg。

以上に切り替えるようです。

当院ではエポジン高用量を使用している患者さんに使用する予定にしています。

理由はヘモグロビン(貧血の値)を安定させたいからです。

ヘモグロビンは変動します。

しかしあまり低い値から高い値と変動が大きいのは体にとってよくありません。

できれば10-12g/dlの間、欲を言えば10-11g/dlの間で調整したいと思っています。

エポジン高用量を使用している患者さんはヘモグロビンは10g/dl未満と1ケタになることがあります。

ヘモグロビン低値は避けたいところです。

ですからヘモグロビンの変動が少なく、安定しやすく、長く効果が持続するという点でミルセラに期待することは大きいです。

医療側にもメリットがあります。

スタッフの作業量の低下、薬品スペースの削減、廃棄物の削減、投与回数の減少に伴う医療事故のリスク低下が挙げられます。

但し、薬剤変更など変化の時は十分に注意しないといけません。

いくら投与回数が減るといえども、それまで週3回に慣れてきているわけですからスタッフには薬剤変更の意味を伝えて、ミスのないようにしていかなければなりません。