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院長の臨床メモcolumn

2012.09.17

造影剤には要注意。

CTや血管造影でヨード系造影剤というものを使うことがあります。

この造影剤は腎臓に良くなくて、腎臓が悪い方はさらに腎臓が悪くなる方がいらっしゃいます。

特に慢性腎臓病ステージ3ⓑ-5の方です。

推定GFRで言うと45未満の患者さんです。

造影剤で腎臓が悪くなる病名を造影剤腎症といいます。

造影剤腎症は造影剤使用後3日以内に起こります。

下記の方は造影剤を使う時には注意して下さい。

・腎臓の悪い方

・脱水状態

・糖尿病

・高齢者

・心不全

・多発性骨髄腫

腎臓が悪い方で造影剤が必要な場合は検査前から予防的に点滴を行います。

生理食塩水あるいは重曹輸液(メイロン)です。

予防的輸液を行う方は・・・

CTの場合は推定GFR45未満の方。

冠動脈などの血管造影を行い場合は推定GFR60未満の方。

緊急的に必要な場合でも重曹輸液をした方がいいようです。

造影剤検査は必要な時にしかしませんが、造影剤腎症になることがあるので「造影剤は腎臓に良くない」というイメージをもたれておいた方がいいと思います。