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院長の臨床メモcolumn

2012.03.10

芍薬甘草湯を重宝していると・・・エルカルチン少量投与からの勧め

透析患者さんは透析中あるいは透析後の夜にこむら返りを起すことがあります。

特に透析の除水速度が多い方です。

透析時間の割に除水速度が多く、無理な透析をしている方です。

そうはわかっていても、透析時間はそのままで無理な除水をしなければいけない場合はよくあります。

こむら返りに重宝されるのは昔からツムラ68の芍薬甘草湯。

これは5分くらいでこむら返りをおさえてくれるツムラの中でも即効性と有効性の高いお薬です。

しかしツムラ68を内服し続けると心不全を起こすことがあります。

こむら返りが怖いからといってツムラ68を漫然と続けていると心臓が大きくなり、心不全になってしまいます。

とくに腎臓病や心臓病や透析の方には起こりやすいです。

このような方にはツムラ68を突然やめるのではなくて、減らすことを目的にエルカルチンを併用していった方がいいでしょう。

重宝している68番を突然辞めるのは患者さんも不安でしょうし、やめることによる精神的ストレスの方が大きいと思います。

エルカルチンは2T(600mg)から開始していくと、こむら返りはましになってくると思います。

もし改善がなければエルカルチンの副作用がないのを確認しながら、こむら返りをおさえることを目標にエルカルチンを1Tずつ増量していきます。

そうしていくといらないうちにツムラ68番の出番は少なくなります。

とはいってもツムラ68はなくなりません。

重宝し続けるでしょう。

エルカルチンを少量からうまいこと使うことによってこむら返りのコントロールは随分しやすくなったと思います。