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院長の臨床メモcolumn

2024.07.02

尿素窒素(BUN)が高い

血液検査の中にBUN(尿素窒素)というものがあります。

これは腎機能の項目にはいっていますが、いったい何なのでしょうか?

BUNが高いと腎臓が悪いのでしょうか?

 

話はたんぱく質から始まります。

タンパク質は筋肉など体の構成成分として重要であり、さらに分解によりエネルギーも発生します。

食事として摂取したタンパク質は分解されて、アミノ酸や小さなペプチドになり消化管より吸収されます。

消化管の絨毛内でさらに分解されアミノ酸となって、吸収され肝臓に運ばれます。

アミノ酸としてプールされるものとどんどん使われるものに分かれます。

一つは体タンパクを作っていきます。

もう一つはタンパク合成で余ったアミノ酸はエネルギー源となります。

この分解の過程で、アミノ酸からアンモニアができます。

アンモニアは有毒なので肝臓の尿路回路で尿素に分解されます。

これが尿素窒素です。

尿素窒素も毒素なので尿から排泄されます。

 

たしかに腎機能が悪いとBUNは上昇します。

しかし、たんぱく質の取りすぎ、体のタンパクが壊れるような状態(異化亢進や出血)でも上昇します。

BUNは腎機能障害の項目ではありますが、腎機能の検査と言えば、クレアチニン、推定GFRが主なものとなっています。

BUNだけ高値でGFRが正常であれば、腎臓の機能は保たれていることが多いです。