透析の合併症に二次性副甲状腺機能亢進症というものがあります。
副甲状腺が腫れてきて、PTHというホルモンが多くなり、骨や心臓に影響を与えます。
透析学会のガイドラインではこのPTHの目標範囲を「60-240」と定められています。
PTHをコントロールするために、ビタミンD(ロカルトロール、オキサロール)やカルシウム受容体薬(レグパラ、オルケディア、パーサビブ)などを投与します。
ほとんどの患者さんで上記の薬の内服薬や注射薬でPTHが管理できるようになりました。 しかし、少数ですが、薬を投与してもPTHが高く、下がりにくい方がいらっしゃいます。
そのような患者さんは副甲状腺が、結節性過形成と言って、大きくなってしまい、ビタミンDやカルシウム受容体薬が効きづらくなっている可能性があります。
副甲状腺のエコーを見て、体積が大きくなっていないか確認する必要があります。
以前では、結節性過形成まで行くと、ビタミンD静注パルスでは効果が乏しいといわれていましたが、最近では、ビタミンD静注パルスとCa受容体作動薬との組み合わせで副甲状腺腫大が退縮するという報告もあります。
それでも効果が乏しい場合は手術が必要になってくると思います。