カルニチンは筋肉や心筋のエネルギー源となる調査脂肪酸をミトコンドリア内に取り込んでくれて、エネルギー産生を助けてくれます。
透析患者さんではそのカルニチンが低下しています。
理由は大きく分けて3つあります。
①血液透析では70-80%くらいカルニチンが抜けてしまいます。
②カルニチンは主に肝臓と腎臓でつくられるので産生が低下します。
③カルニチンを食事で取ろうとするとリンが高いものが含まれているので食事では取りにくいです。
さらに、透析年数がたてばたつほど、体内のカルニチンは少なくなるという報告があります。
このカルニチンは貧血、こむら返り、不整脈に期待されています。
商品名はエルカルチン。
1錠当たり100mgと300mg。
錠数が少なくて効果がある方がいい。
色々と調べてみると600mgが適量か?!
300mgで血液内カルニチン濃度が正常化するという報告もありますが、透析でよく抜けてしまうため、透析前のカルニチン濃度は基準値以上でもよいと思います。
もちろん300mgでも600mgでも貧血の改善やこむら返りの軽減を認めています。
保険適応上、カルニチン濃度は調べることができないので適量を判断することは困難ですが、カルニチンの枯渇状態を防ぎ、臨床症状の改善を目指すのであれば600mg、錠剤でいうと300mgを1日2錠がいいのではと個人的に思います。
初めに600mg投与し、改善がいまいちであれば900mgに増量するのもいいと思います。
個人的にはデータを取っていませんが、こむら返りや貧血にはかなりいい効果があると思っています。
エルカルチンの論文を読んでいると全員に投与していってもいいのでは?と思う時があります。