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院長の臨床メモcolumn

2015.03.23

保存時腎臓病にリオナは効くか?

最近、慢性腎臓病ステージ4以上の方には「リン」を定期的に採血しています。

慢性腎臓病の方は月1回とっています。

このリン、実は採血している施設とそうでない施設があります。

忘れやすいんですね。

しかし透析だけではなく、保存期でもリンは非常に重要です。

というのも、保存期腎臓病の段階で、リンによる血管石灰化が始まり、リンが高い人よりはリンが低い人の方が予後がいいと報告されています。

ステージ4以上になってくると徐々にカルシウムが減少り、リンが上昇します。

これに対してリン吸着剤を使用するかどうか?

基本的には使用することにしています。

しかし慢性腎臓病患者さんはビタミンDが低く、FGF-23は上昇しているので、リンの吸着剤はあまりないのではないと思います。

カルシウムを上げ、リンを下げる目的で、よくカルタン(炭酸カルシウム)のみを処方しても、実際は効果がありません。

それはビタミンDやFGF-23に異常をきたしいているからだと思います。

おそらく高容量にすれば効果はありますが、1500㎎程度であれば効果は期待できないでしょう。

それでは一番新しいリオナではどうなるのかという疑問と期待が出てきます。

おそらく高容量でないと低下しないでしょう。

保存期腎臓病ですとタンパク質制限(リン制限)がされていると思います。

リン制限食の状態を作らないとリン吸着剤の効果も期待できないでしょうね。

カルシウムが低く、リンが高くなってきた場合はビタミンD+カルタンがいいかもしれません。

リンだけが高い場合はリオナがいいと思いますが、結構な容量が必要と思われます。

リオナだけではなく、非Ca吸着剤としてホスレノールは忘れてはいけません。