・人工型トランス脂肪酸について
人工型トランス脂肪酸として、マーガリンやショートニングが有名である。
人工型トランス脂肪酸(2種類)と天然型トランス脂肪酸(3種類)のマウスの実験結果では、人工型では時間依存性にアポトーシスを有意に促進させ細胞生存率が低下した。一方の天然型では有意な変化はなかった。アポトーシスの促進は循環器疾患や脳変性疾患の発生リスクになる。
EPAやDHAなどの高度不飽和脂肪酸によりアポトーシスの促進が大きく低下した。さらに、DHAでは少量でも有意に低下させた。
・たんぱく質の摂取比率について
現在の日本人の平均摂取カロリーは2271キロカロリー、三大栄養素摂取割合は炭水化物53.7%、たんぱく質13.8%、脂質32.5%である。マウスの実験で脂質25%に固定し、たんぱく質摂取を5.15.25.35.45%の5群に分け脂肪肝、血糖、中性脂肪、コレステロールなどの変化を調査した。
結果はたんぱく質5,15%の低タンパク職では摂取カロリーが多くなり、特に5%摂取では脂肪肝が増加し、中性脂肪やコレステロールが増加した。対して35%の高たんぱく食では同様の変化はみられなかった(つまり、炭水化物が多いと食事摂取が増加し、たんぱく質が多いとカロリー摂取が抑えらえる)。アミノ酸では、必須アミノ酸は5群間で変わりなし。必須アミノ酸は5%で上昇し、45%で低下した。血糖は45%で上昇した。高たんぱく食でカロリーが少ないため、体内のたんぱく質が分解され、糖新生により血糖が上昇した可能性がある。
・高齢者とタンパク摂取量
75歳状の高齢者において、高たんぱく食(1.5g/㎏)と標準たんぱく食(1.0g/㎏)を比較した。さらに両軍ともに週6回の軽いレジスタンス運動を行った。高たんぱく食を指導した群では大豆、肉、卵が増えた。
結果は、高たんぱく食の方が握力(筋力)、骨格筋指数、ADL指数が増加した。