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院長の臨床メモcolumn

2012.02.17

今年のインフルエンザワクチンって?

インフルエンザが猛威をふるっています。

中にはインフルエンザワクチンを打ったのにインフルエンザにかかってしまったという方もいらっしゃいます。

当院でも子供さんを中心にワクチン接種者にも罹患している方が数人いいらっしゃいます。

今年のインフルエンザワクチンの有効性は低いのかもしれません。

2009年新型インフルエンザが流行した年、新型インフルエンザ用ワクチンが打たれました。

その時は患者数も多かったですが、子供を中心として極めて有効性が高いものでした。

昨年からA型香港+新型/B型混合ワクチンになった時の有効性はどうだったのか?

有効性は50歳代で見られただけで0-9歳、10-19歳など良く罹患する未成年では有効性を認めませんでした。

未成年でワクチン接種した方とワクチンを接種しなかった方と比べるとワクチンを接種した方の方が多くインフルエンザにり患しているという統計です。(統計学的に有意差はありませんが)

2009年時はA型インフルエンザに対するワクチン有効率は69.7%、2010年は22.9%と大きく下がってます。

今年はさらに下回るのか?

ワクチン接種にもかかわらず、学級閉鎖などが今や当然のようになっています。

異常事態だと思います。

子供を中心として流行しているので世の中のお母さんも大変です。

ワクチン接種をきちんと促すことも、きちんと受けることが必要です。

「ワクチン接種者もインフルエンザ罹患」ということがマスコミなどで騒がれてしまったら、来年から「どうせ打っても変わらないんだから打たんとこう」ということになりかねません。

ワクチン株からの変異は少ないと考えられているとは思いますが、ワクチンを打っている以上個人、家族、学校、会社、医療機関など全ての社会で「ワクチンを打ったから大丈夫」と安心してインフルエンザシーズンを迎えることができればいいなあと心底思います。