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院長の臨床メモcolumn

2016.03.19

リン吸着剤キックリンが保存期腎臓病でも使用可能に

保存期腎臓病にキックリンが保険適応になりました。

キックリンはカルシウムを含有していないリン吸着剤(リンを下げてくれる薬)です。

透析ではリンは有名ですが、保存期腎臓病ではカリウムの方が有名で、リン管理に関してはまだまだこれからだと思います。

しかし保存期腎臓病から血管石灰化は始まるので、リン管理は非常に重要で、目標リン値は「2.5-4.5㎎/dl」(透析とは違いますよね)lpとされています。

保存期腎臓病は透析と違って、カルシウムが低下することがあり、カルタンやビタミンDを投与することが多いですが、カルシウムやリンが高いとやはり、血管石灰化が進行してしまうので、キックリンのようなカルシウムを含有していないリン吸着剤も必要になってきます。

下の図のようにキックリン投与では約0.78㎎/dl低下するようです。

正直なところ保存期腎臓病での目標リン達成率は高くないのですが、この報告では50%以上でしたのでいい結果だと思います。

リンが低下し、FGF-23も低下していますね。

便秘に要注意のキックリン。

あとどうしても薬の用量(カプセルの個数)が多くなりますが、目には見えない、血管石灰化を守るために必要な薬だと思います。