ピートルはキッセイ薬品から発売されているリン吸着剤である。
特性を列挙する
- 薬剤の約20%に鉄が含まれており、消化管内で鉄がリンと結合して吸着する
- P吸着効果は、他のリン吸着剤に比べて単位当たりでは強力である。
- 胃のpHにかかわらずリン吸着効果は期待できる(炭酸カルシウム、炭酸ランタン、リオナはpHが高くなると効果が減弱するという報告がある)
- 作用機序は、ピートルのスクロオキシ水酸化鉄が消化管内ででんぷんとスクロースが分解され発生した多核性の酸化水酸化鉄がリン酸を吸着する
- ピートルに含まれている第3鉄は胃で溶解しにくいため、鉄の吸収は少なく、Hbやフェリチンの過上昇は生じにくい。
- 臨床試験ではTSATは12週まで上昇したが、その後は維持。Hbも同様に12週まで上昇し、おおよそ11g・dlで推移した。
- フェリチンは上昇傾向にあり、特に高用量で上昇するが、上昇の程度はフェリチン200程度と高い数値ではない。
以上、ピートルはリン吸着力が強く、鉄という生体にある金属を利用していることからも使用しやすい。
吸着力が強いということは、薬剤数が少なくて済むので患者さんのメリットも大きい。
ただ、食直前の内服、黒色便、軟便傾向などデメリットもある。