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院長の臨床メモcolumn

2018.03.21

ノベルジン(亜鉛製剤)

ノベルジンという亜鉛製剤が昨年3月に効能追加になりました。

これまでウィルソン病だけが保険適応でしたが、低亜鉛血症の患者さんに対して効能追加になりました。

慢性腎臓病患者さんや透析患者さんでは食事制限などで亜鉛が低い方は5-6割くらいいるとも言われています。

亜鉛不足で有名なのが味覚障害です。

その他、脱毛や性腺機能低下、創傷治癒遅延なども生じることがあります。

また、最近では亜鉛不足になると、酸化ストレスが上昇し、一酸化窒素が減少して、血圧が上昇するという説もあります。

その他、透析ではエリスロポエチン抵抗性貧血に亜鉛不足が関与しているとも言われています。

亜鉛欠乏は血中濃度が60未満とされていますが、潜在的な亜鉛欠乏という概念もありその数値は60-80とされています

亜鉛欠乏状態では上記の症状が出現する可能性があり、亜鉛製剤(ノベルジン)の適応になります。

日本臨床栄養学会では腎不全など満船疾患では亜鉛欠乏がなくても、亜鉛補充を考慮してもいいと記されています。

ちなみに量は50-100㎎/日(1-2錠/分2)とされています。