このブログで痛み止めについて何度か書いています。
通常の痛みどめ(NSAIDs)、リリカ、ノルスパンテープ、漢方薬など。
いずれも作用機序が異なっていて有効な薬だと思います。
痛み止めで昨年、「トラムセット」という痛み止めが発売になりました。
リリカも昨年発売されましたが、作用機序が異なります。
リリカは過敏になっている神経(神経障害)を抑える薬で、トラムセットはアセトアミノフェンとドラマドールの合剤です。
アセトアミノフェンはロキソニンなどと同様NSAIDsの種類の一つです。
インフルエンザの時に使うカロナールで有名だと思います。
ドラマドールは非麻薬性の鎮痛剤です。
NSAIDsと非麻薬との合剤、つまり作用機序が異なる者同士をひっつけた薬剤⇒⇒⇒トラムセットということになります。
しかしこのトラムセットは重篤な腎障害の方には禁忌!!
なのですが、アセトアミノフェン+ドラマドールなのでこれらが重篤な腎障害で禁忌になるはずです。
まずよく知られているアセトアミノフェン(NSAIDs)。
実はこれは禁忌なんです。
痛み止めでよく処方されていますよね。
僕も透析患者さんの処方します。
常に内服するのはよくありませんし、常用量は控えるべきですが、決して処方していないわけではありません。
禁忌なのですが良く処方されています。
一方のドラマドールは腎障害の方も禁忌ではありません。
ただ、内服する量は減量しなければなりません。
ということはアセトアミノフェンは禁忌だけど飲んでまあまあOKとして、ドラマドールは減量で飲めるのでOK。
つまり内服できないわけではないと思います。
確かに透析患者さんで飲まれている方がいらっしゃると聞いたことがあります。
トラムセットの保険適応は「治療困難な慢性疼痛」になっています。(抜歯後の疼痛もありますが)
ですので他に痛み止めなど手を尽くしてどうしても痛みが軽減しなければ注意しながら投与していってもいいのではと個人的には考えています。
1錠からか、2錠からか?
適切な量はまだ不明ですが、副作用に注意しながら投与してもいいのではないかと思います。
透析患者さんにとっての痛み止めの第一選択薬ではないとは言えますね。