先々週より発熱の患者さんが多く来られています。
基本的には抗原検査を行い、必要に応じて抗原陰性の方に対してPCR検査をします。
当院では、①抗原定性検査は「鼻咽頭」、②PCRは「唾液」で採取しています。
デルタの時は、ほぼ抗原検査で陽性になることが多く、抗原陰性ならPCRも陰性のことが多かった印象です。
オミクロンの場合は、まだ検査は少なく、抗原陽性の方もいますが、抗原陰性でPCR陽性のこともデルタの時より多い印象を持っています。
「ウイルスはまず口内と喉に現れます。ということは、私たちが今やっている検査方法には問題があるわけです」と、メリーランド大学の呼吸器系ウイルスの専門家ドナルド・ミルトンは言う。
唾液による検査なら、鼻ぬぐい検査よりも数日早く陽性を確認できる可能性を示す研究結果もある。
ミルトンたち研究チームは、発症の3日前と2日後において、唾液の検体のほうが鼻の検体よりも約3倍のウイルスを含んでいることを発見したという。さらに、PCR検査で陽性反応が出る確率も12倍だった。だがその後は、より多くのウイルスが鼻に蓄積されていったという(同研究はまだ科学誌に掲載されていない)。
これまでの変異株に比べて、上気道で急速に複製し、潜伏期間が短いオミクロン株については、とくに唾液の有効性が顕著なのかもしれない。
発症から何日も経っている人は…
一方、感染から日にちが経っている場合には、鼻ぬぐい検査のほうが有効かもしれない。
カリフォルニア工科大学の研究者らによれば、ウイルスは唾液で急増することが多いが、最終的には鼻で高い値を示すという。彼らの研究結果は、PCRなどの感度の高い検査では唾液のほうが鼻ぬぐいよりも数日早く感染を確認できるかもしれないが、感度の低い抗原検査などでは唾液で早く検出できない可能性があることを示した。
オミクロンが急激に流行し、潜伏期が早く、世間の感染への懸念も高まっていることからデルタ株の時より発症してから来院するまでの期間が早いような気がします。
ですので、感染早期の場合は、鼻咽頭ぬぐい液では陰性となり、唾液で陽性となります。
3日後など少し遅れてから受診されるときは鼻咽頭でも陽性になっていたかもしれません。
近隣の先生にお聞きすると、ウイルス量が少なくなっている可能性もあるというお話も伺いました。
いずれにしても、デルタ株とオミクロン株の違いは臨床症状だけではないような印象を持っています。