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院長の臨床メモcolumn

2016.07.28

ギッテルマン症候群

ギッテルマン症候群は腎臓の尿細管の病気でミネラルを尿から喪失してしまう病気です。

代謝性アルカローシス、低カリウム血症、低カルシウム尿症、低マグネシウム血症、レニンやアルドステロン症の上昇、血圧正常が特徴的なデータになります。

昨日、DMネットワークという研究会で、ギッテルマン症候群の演題がありました。

珍しい疾患で、遭遇する機会もなかなかないので非常に勉強になりました。

ギッテルマン症候群は上記に書いたすべてを満たさないこともあり、診断は難しいこともあります。

特に、専門的ではありますが、ギッテルマン症候群とバーター症候群3型との鑑別は難しいと思われます。

利尿剤負荷試験を行い、サイアザイド系利尿剤を負荷しても、何の変化もなければ、ギッテルマン症候群。

フロセミド利尿剤を負荷しても何の変化もなければバーター症候群ということになります。

しかし、バーター3型は時にギッテルマン症候群と同じような所見を見たし、診断に苦慮するのと、バーター3型はギッテルマンが異常をきたす遠位尿細管とバーターが異常をきたすループ上行脚の療法のClチャネルの異常があるので、フロセミドにもサイアザイド利尿剤の両方に反応しない可能性があります。

利尿剤負荷試験に関してはギッテルマンでは多く報告されていますが、バーター症候群3型の報告はないように思えます。

遺伝子診断をすればはっきりしますが、そうそうできることではないので、臨床上では利尿剤負荷試験は有用な鑑別方法になると考えます。

ただし、診断はともあれ、治療方法には大きく変化はないです。