時にまじめに食事管理をしている患者さんでリン(P)が高い患者さんがいます。
基本的には腎臓が悪くなるとリンが高くなり、透析患者さんでもリンが高いのは珍しくはありません。
1回の透析でリンが約1000mg除去され、便でも約400mg除去されるといいます。
1週間ですると。。
透析での除去:1000mg×3=3000mg
便での除去(毎日排便として):400mg×7=2800mg
合計が5800mgとなります。
1日換算とすると約800mgとなります。
排便頻度や食事量でも変わってきますので700‐900mgの幅はあるかもしれません。
ただ、除去される以上に飲食すると体内のリンは上昇します。
血液検査で高りん血症が続くとリン吸着剤を内服するようになります。
栄養状態からするとある程度タンパク質を摂取する必要があります。
ですからリン吸着剤なしでリンが上昇するのはよほど長時間透析をやっていないとやむを得ないと思います。
ところが食事をしっかりされていてもリンが上昇するケースがあります。
食事内容を見てみると明らかに食事量も少ないのになぜ。。。
栄養士さんいわく、総カロリーが少ないということです。
総カロリーが少ないと身体の中の筋肉などにある蛋白が分解されてリンが血液の中に出てくるというのです。
はっきりいって半信半疑でした。
尿素窒素(BUN)はカロリー不足で上昇するけどリンも上昇するの?
教科書を見てみてもカロリー不足でリンが上昇するとは書いていませんでした。
ただ、カロリーとリンの関係についても書いていませんでした。
本当に長期的なカロリー不足は体内の筋肉を崩壊し、リンを上昇させてしまうのか?
理屈ではありそうな感じでした。
しかし本当かなあ?
ただ2人とも栄養指導した後、カロリーを取るようになってからPは7mg/dl⇒4mg/dl台に。
さすがです。
カロリー不足は骨?あるいは筋肉?からリンが遊離する可能性があると思います。
腎機能が正常であれば少々リンが上昇しても腎臓で排泄されます。
透析患者さん特有の所見かもしれません。