今日はDPP-4阻害剤の「トラゼンタ」という薬のご紹介をいたします。
糖尿病の薬は腎臓病や肝臓病があると制限がでる薬が多いですが、このトラゼンタは腎臓病や肝臓病があっても比較的使用しやすい薬です。
また、SU剤のようにインスリンを刺激する薬ではないので、体に優しく最近では積極的に処方されることが多くなっています。
私の専門である腎臓病や透析の方に対しても安心して処方できる薬です。
腎臓病があると薬の量を調整しなければならない薬がありますが、このトラゼンタは腎臓病の有無にかかわらず同じ量で処方できます。
同じ量で処方できるということは腎臓病を気にせず出せるということです。
効果としてはHbA1cで約1%の低下、食後の血糖も30-40低下すると報告されています。
102週間の経過観察をした研究では効果は持続したようです。
薬の効果は非常に高く、安全性も高いといえます。
しかし、注意点とすればDPP-4阻害剤など薬を飲んで「HbA1cが低下した」といって喜んで油断しないことです。
薬でせっかく下がった血糖が食事でまた上昇しては意味がありません。
せっかく下がった血糖やHbA1cを大切にして、維持あるいはさらに下げるよう努めていきましょう。