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院長の臨床メモcolumn

2024.08.09

SGLT-2阻害薬の腎臓への期待

①HbA1c低下による糖尿病性腎症発症の予防

SGLT-2阻害薬は、糖尿病治療薬なのでHbA1cが低下する作用がある。

HbA1cが低下するということは、糖尿病合併症である腎臓病の発症、進展の予防になる。

②SGLT-2阻害薬の投与直後からの腎保護作用

initial dipといって投与1‐2か月以内にGFRが低下する。これは腎機能が悪くなったのでは?と思われる所見ではあるが、腎臓への負担が減ったという現われである。つまり、SGLT-2阻害薬による腎保護作用が発揮されている。

③SGLT-2阻害薬による蛋白尿(アルブミン尿)減少作用

SGLT-2阻害薬により尿蛋白(アルブミン尿)が減少しているという報告がある。アルブミン尿を抑えるということは腎不全への進行を抑制するということになる。

以上の3点から、SGLT-2阻害薬は腎臓病の発症予防になりえると期待される。