2024年5月の日本透析医学会雑誌の中で、
エリスロポエチン抵抗性貧血に対するHIF-PH阻害薬の有効性についての報告がありました。
結果的には有効性があったという結論なのですが、
結果の中で、亜鉛濃度の推移について報告されていました。
この論文ではエリスロポエチン継続群とHIF-pH阻害薬に切り替えた群の2群間比較を行っています。
亜鉛濃度に関してはエリスロポエチン群では変わりありませんでしたが、HIF-pH阻害薬群では投与12週後に低下していました。
亜鉛が低くなると貧血傾向になるため、HIF-pH阻害薬が増量する傾向となっていました。
つまり、HIF-pH阻害薬を増量する因子として亜鉛濃度の低下が挙げられました。
HIF-pH阻害薬投与中に亜鉛が消費される可能性があるということです。
亜鉛の関与は新しい発見で、HIF-pH阻害薬の効果が乏しくなった時には、鉄以外にも亜鉛も調べたほうがよさそうですね。