兵庫県医師会学会雑誌の論文に掲載されている兵庫医科大学の竹末先生の論文を拝見しました。
- 酸素投与が必要な治療の3本柱:レムデシビル、低用量デキサメタゾン、予防的ヘパリン
- レムデシビルは通常酸素療法症例では予後改善効果を認めたが、人工呼吸管理などの重症例では有意差を認めていない。しかし、発症10日以内に投与した場合は、10日以上経過した症例と比較すると、改善率は高い傾向にある。
- デキサメタゾン低用量投与は酸素投与群や重症化症例では効果を認めたが、酸素を投与していない症例では有効性を認めていない。人工呼吸患者には強く推奨し、酸素投与例では中等度に推奨した。
- トシリズマブ(生物学的製剤)は、重症例の症例では推奨される。バリニシチブ(JAK阻害薬)はレムデシビルと併用することによって、レムデシビル単独投与と比較し、回復する効果は高い。特に、高流量酸素投与患者では、併用する方が有意に早期改善効果が高くなる。
- ヘパリンは、COVID-19では、血栓側線イベントは制が多く、肺血管にも内皮障害により血栓症をきたす可能性があることから予防的ヘパリン投与を行っている。