エンレストは高血圧の薬剤ですが、腎機能障害の進行抑制作用も期待されています。
PARADIGM-HF(心臓の収縮力が悪い心不全に対するARNIの効果を見た研究)とPARAGON-HF(心臓の収縮力が比較的保たれている心不全に対するARNIの効果を見た研究)のデータを組み合わせた解析の報告です。
これは、サクビトリル/バルサルタンvsエナラプリルまたはバルサルタンの2群間で、eGFRの勾配の変化に加えて、eGFRの50%以上の低下や末期腎不全への進行、または腎臓の原因による死亡の複合に対する効果を評価したものです。
この研究の開始時の腎機能eGFRは、PARADIGM-HFでは68±20ml/分/1.73m2、PARAGON-HFでは63±19ml/分/1.73m2であった。
腎機能の進展に関しては、サクビトリル/バルサルタン群では1.1%、バルサルタンまたはエナラプリル群では1.9%でした。
これを見るとほんの少しの差に見えますが、解析では腎障害を進展させるリスク比はHR 0.56(44%サクビトリル/エンレスト群)と有意に抑えているという結果となりました。
平均eGFR変化はサクビトリル/バルサルタン群で-1.8ml/min/1.73m2/yearであったのに対し、バルサルタンまたはエナラプリル群では-2.4(95%CI-2.5~-2.2)ml/min/1.73m2/yearでした。
これも少しの差に見えますが、統計的有意差があります。
特にEF30-60%で治療効果を認めたという結果でした。
注目していた腎機能(推定GFR)ごとにARNIの効果が発揮されるか、つまり腎機能がよくても、悪くても効果が安定するかどうかに関してはGFR30以上のデータではありましたが、腎機能に関係なく効果を認めました。