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院長の臨床メモcolumn

2019.01.30

AIと介護審査会

「介護認定審査会がAIに代わる日」という長尾先生の論文を読んで。

介護審査会はケアマネさんなど調査員が100以上もある項目を調査し、コンピュータをもとに、主治医意見書を反映させ修正を加え資料が作られます。

コンピューターの介護度と我々、医療や介護の現場の職員が審査会を行いマニュアル的に総合判断することを二次判定といいます。

現在、個人情報の観点から、介護審査会で使用された資料はPC上に残っているかもしれませんが、それをもとにビックデータとして活用されるには至っていません。

コンピューターによる一次判定の資料や二次判定の資料等審査結果を集計することにより、AIによる審査も可能になるかもしれません。

介護審査会には多額の費用と時間がかかります。

人間の介護度を審査するためには人間の判定が必要とは思いますが、一方で今後の人材不足も懸念されます。

私もメンバーをしていますが、介護審査会の準備と言うのは資料を読むだけでかなりの時間を要します。

介護審査会委員のなり手も少なく、審査委員の選出に苦慮する話もよく聞きます。

介護審査会では毎回30-40例の審査を行いますが、コンピューターと審査員メンバーの全員が一致する事例がたくさんあります。

誰が読んでも100%同じ介護度の出るような症例に関しては介護審査会を通さなくても良いなど削減できるものはあると思います。

AIを活用することによりある程度のパターンが判別でき、場合によってはより確実で安心感を得ることができる結果が得られるかもしれません。

内科診断学もAIに代わる日が来るかもしれないとも言われています。

どの時代にも人の判断は必要で、それを否定するつもりはさらさらありませんが、時代は変わってきています。

長尾先生も書いていましたが、AIに任せるところは任せて、人間にしかできないことをやっていくと言う意見には非常に賛同を覚えます。