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院長の臨床メモcolumn

2021.12.30

麻黄附子細辛湯が足の痛みに

80歳代女性

足の痛みに困っている患者さん。

この患者様に予想外の漢方薬が効いたという話。

 

カロナール、ロキソニンなどのNSAIDsも効果がなく、もともとタリージェを服用している状態。

他に、トラムセットやノルスパンの考慮したが、ふらつき、便秘があり使用できない。

そこで漢方薬を考える。

こむら返りがあり、芍薬甘草湯と附子末少量を頓用で服用されていました。

それにもかかわらず痛いということで、屯用で五苓散を投与しました。

しかし、効果はいまひとつでした。

どうしよう・・と正直に詰まっていました。

ある日、その患者さんが鼻水を訴えました。

発熱や咳などはなく、単に鼻水だけでした。

そこで、表題の麻黄附子細辛湯=127番を処方しました。

何と鼻水だけではなく、足の痛みもかなり良くなりました。

 

もともと、附子は飲んでいまいた。

附子は温める作用以外に、鎮痛作用もあります。

附子だけでは効果がなかったのに、なぜ127番だったら効いたのか?

おそらく、麻黄を追加したからだと思います。

麻黄は発汗、解熱作用、咳止めにも効果がありますが、附子を併用することにより、体の経路が温まり、循環が良くなります。

そのため、寒冷鼻炎だけではなく、寒さによる神経痛や関節痛にも効果があるのだと思います。

 

127番は寒さによる神経痛への効果が期待されます。

しかし、注意点が2つ。

①保険適応が「かぜ」のみ

②麻黄が入っているので、血圧が上昇しやすい。