80歳代女性
足の痛みに困っている患者さん。
この患者様に予想外の漢方薬が効いたという話。
カロナール、ロキソニンなどのNSAIDsも効果がなく、もともとタリージェを服用している状態。
他に、トラムセットやノルスパンの考慮したが、ふらつき、便秘があり使用できない。
そこで漢方薬を考える。
こむら返りがあり、芍薬甘草湯と附子末少量を頓用で服用されていました。
それにもかかわらず痛いということで、屯用で五苓散を投与しました。
しかし、効果はいまひとつでした。
どうしよう・・と正直に詰まっていました。
ある日、その患者さんが鼻水を訴えました。
発熱や咳などはなく、単に鼻水だけでした。
そこで、表題の麻黄附子細辛湯=127番を処方しました。
何と鼻水だけではなく、足の痛みもかなり良くなりました。
もともと、附子は飲んでいまいた。
附子は温める作用以外に、鎮痛作用もあります。
附子だけでは効果がなかったのに、なぜ127番だったら効いたのか?
おそらく、麻黄を追加したからだと思います。
麻黄は発汗、解熱作用、咳止めにも効果がありますが、附子を併用することにより、体の経路が温まり、循環が良くなります。
そのため、寒冷鼻炎だけではなく、寒さによる神経痛や関節痛にも効果があるのだと思います。
127番は寒さによる神経痛への効果が期待されます。
しかし、注意点が2つ。
①保険適応が「かぜ」のみ
②麻黄が入っているので、血圧が上昇しやすい。