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院長の臨床メモcolumn

2011.08.08

長時間透析の有効性について

透析時間を長くするとどれだけ体にとっていいのか?

ある施設が週3回6-8時間透析を行った結果を発表していました。

時間が長ければ長いほど、リンやβミクログロブリンなどの悪い物質が取れます。しかし残念ながらアミノ酸やアルブミンなどの栄養素も除去されます。

それだけではいいか、わるいかわからないと思いますが、できるかぎり悪い物質を取って、良い物質を残したいのは当然ですよね。

この施設では長時間透析をしながら大きな透析膜を使用する。その代わりに血液流量を普段の半分くらいにしています。血液流量を減らすことで栄養素を抜けることを少しでも減らしたいという思いがあるようです。

実際、透析時間を長くするとそれだけ色んな物質が抜けるわけですから食べることができる食事量は格段に多くなるでしょう。筋肉量が多くなり、抵抗力もつき、貧血もなくなり、元気になると思います。
実際、生存率はこの方法で日本の平均の約2倍伸びていました。
これってすごいことだと思います。

患者さんを元気にする透析を実践した結果だと思います。

心臓が悪い方や食欲が低下した方や4時間透析でも透析後がしんどい方に長時間透析を勧めているようです。

その結果、患者さんからすると
・食欲が出て、食事がおいしい。
・やせない。
・透析後の疲労感が感じない、
・貧血が改善する
などの効果があるようです。

しっかり透析は透析の基本です。
長時間透析=しんどいというイメージは医療従事者が先行しているのかもしれません。

週4回透析にしろ、長時間透析にしろ患者さんに必要性を説明することも大切ですが、現実問題として透析空間が限られている中、透析施設がどのようにスケジュールを立てて行くかが最も重要なのかもしれません。