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院長の臨床メモcolumn

2015.01.03

適正なDWとはいかに。

当院は新しいクリニックということもあって、透析導入して1年以内の方が多いです。

透析導入前は食欲低下などがあり、やせて体重が減っていきます。

しかし、透析導入となると、食事制限はあるものの、食欲が増してきて体重が増えてきます。

そうなるとドライウェイトは増えていくことになります。

処方も変えていないのに血圧が低下してきたということはドライウェイトをあげるタイミングとなります。

ですから、透析導入して1年以内の方は透析で血圧が下がらない程度が「患者さんにちょうど合うドライウェイト」かもしれません。

しかし、要注意は、食欲がまし、水分、アルコール、塩分が増えてきている患者さんです。

これは体重増加が多く、1時間当たりの除水速度が激しいために、血圧が下がってしまいます。

血圧が下がらない程度が「患者さんにちょうど合うドライウェイト」とはいえ、これではドライウェイトを上げてもどんどん、水太りになってしまいます。

いい体重の増え方は前半のように、食事で脂肪や筋肉が増えて、ドライウェイトが増加する場合、「理想のドライウェイト」。

一方で好ましくないのが、後半のように食事で脂肪が増えている以上に、水分や塩分類が多くて、血圧が下がり、十分な除水ができなくて、やむを得ずドライウェイトを増加させる場合、「妥協のドライウェイト」。

常にこれには頭を悩ませます。

適切なドライウェイトを決定するために、胸部エックス線での心胸比、エコーでの下大静脈径、ハンプ採血は最近よく行っています。

しかし、これは透析終了時を見た一時的な状態を見ているに過ぎないので、肝心の透析中の状態をモニタリングしているわけではありません。

よって、適切なドライウェイトを検査で設定しつつ、適切な食事アドバイス、適切な除水管理が必要になってくるといえます。