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院長の臨床メモcolumn

2011.09.19

透析膜の変更で透析中の血圧低下が防げるのか?

最近、透析膜についてよく考えるようになりました。

シャントは透析の命綱ですが、透析膜は透析の核となるものです。

その機能によって透析の内容が変わってきます。

その中でこの透析膜こそ患者さんに合ったものを選択しなければなりません。

今回、ビタミンE固定透析膜(VPS)で透析中の血圧が改善するかを考えてみました。

以前、このVPSで貧血が改善するかというお話をしました。
http://ameblo.jp/doctor-k2/theme4-10039475394.html#main

もともと透析でよく下がる患者さんを対象にVPSを使用した報告があります。

約3カ月で血圧が上昇し、4カ月目で透析中の処置(足を上げる、生食を入れる、10%食塩水を入れる)がへってきたようです。

3カ月だけではなく、6カ月、12カ月まで効果は持続していました。

血圧を上げる原因はNOをいう一酸化窒素を減らすということです。

NOが多いと、血管が拡張し血圧が下がりやすくなるようです。

VPSを使用することによって透析中のNOが低下するということは酸化ストレスが起こりにくくなっているということです。

ですからVPSは酸化ストレスを抑えて、透析中の血圧を安定にさせてくれる体に優しい透析膜といえます。