血液検査のデータ項目には空腹時血糖という項目があります。
食前の空腹時血糖には正常値がありますが、食後は食事によって違いので正常値がありません。
あまり上がりすぎると糖尿病やその予備軍という話になります。
今回、この「空腹時血糖」で反省すべきことがあったので反省と啓蒙を含めて書きました。
僕はこれまで透析患者さんの血液検査は皆さん食後に血液を取っているとばかり思い込んでいました。
ですから当然、結果は空腹時ではないため111以上となり高く出ています。
僕は食後なので160以上の場合に要注意でHbA1cなど糖尿病のマーカーを測ることがあります。
200以上は食後であれ、糖尿病と診断できる範囲まで上昇しています。
今回、ある患者さんはずっとこの「空腹時血糖」が100-160くらいで経過していました。
僕はずっと「食後血糖」だと思って様子を見ていました。
しかしある時とんでもなく高い値を示し体調を崩されました。
聞いてみると
「透析の時はほとんど何も食べていない。飲んでいない。」ということなのです。
ですからこれまでの100-160mg/dlは本当に「空腹時血糖」あるいは「空腹時血糖」に近い数値だったのです。
ということはもともと糖尿病があり、あるきっかけで急激に血糖が上昇したのかもしれません。
現段階ではそうとは断言できず、ほかのタイプの糖尿病の可能性もあります。
しかし!!
「空腹時血糖」は本当に空腹時血糖かどうかを確認しなければなりません。
当院でも見直すと同時に、このブログをご覧になられた方も注意して見て頂けたらと思います。