透析患者さんの便通は悩ましいことが多いです。
あるブログの読者から便通障害について悩んでいるというメッセージを受けました。
便通障害の漢方薬について書いてくれたら。。
ということで書いてみました。
実際、多くの患者さんが悩んでいることです。
西洋薬で言うとプルゼニドやアローゼンやラキソベロンがよく処方されると思います。
特にラキソベロンは耐性(効き目がなくなる)が少なく、使用しやすいです。
とは言え、切れ味がいいという感じではありませんし、液体なのでやや面倒なことがあります。
便を軟らかくするという薬でD-ソルビトールもあります。
これもなかなかいい薬です。
切れ味という点と液体という点ではやはり難色を示すところもありますが、効果はまずまずです。
便秘には何種類かに分類されています。
透析患者さんの便秘の最大の問題はリン吸着剤(カルタンなど)を内服していることではないかと思います。
リンを下げるために消化器の副作用が多いリン吸着剤は多くの患者さんで必要です。
8時間透析をやっている方は不要かもしれませんが、きちんと食べて、きちんと透析したとしてもおそらくは栄養を保持しようと思うとリン吸着剤は必要です。
漢方で重宝されるのが大黄です。
はっきりいってまずいですが効き目があり、患者さんのリピート率は極めて高いです。
本来は大黄という下剤作用の強い状態になるまでに、大黄以外の薬剤で便を出させるということも漢方薬の醍醐味というところもあるらしいですが、透析患者さんにはそのような理屈は当てはまらないような印象です。
漢方で言うとコロコロ便の方で、マイルドにお腹の痛みがなく排便させるものに麻子仁丸があります。
これを1日1-4包内服します。
またがっちりしていて、イライラ気味の方であれば、桃核承気湯もありますが、体力があまりない方ですと、下剤によりお腹がきりきりなることがあり要注意です。
承気湯類でも調胃承気湯は比較的便を緩める作用もあっていいと思います。
ストレスの掛かった若い女性であれば大黄牡丹皮湯がいいかもしれません。
その他、潤腸湯というのもあり高齢患者さんを含め使いやすいように思えます。
体力のあまりない方で、便秘があまり強くない方は桂枝加芍薬大黄湯がいいかもしれません。
あと、大黄甘草湯は大黄がしっかりと入っていて効果は高いと思います。
上記の全てに大黄が含まれています。
大黄も耐性の問題はあると思いますが、透析患者さんの便秘には漢方薬の中では大黄は必須ではないかと個人的には思います。
もし、ブログの読者の方がストレスが強くて、便秘や下痢を繰り返すのであれば桂枝加芍薬湯が効くかもしれません。
お役にたてればうれしいのですが。
正直言って私の漢方の知識はまだまだです。
もっと勉強して、もっとわかりやすく、的確にご提供できるように頑張ります。