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院長の臨床メモcolumn

2012.09.25

透析患者さんでのDPP-4阻害剤の使い方(糖尿病薬)

最近、糖尿病分野ではDPP-4阻害薬が話題です。

このDPP-4阻害薬、以前は透析患者さんを含む重度の腎障害の方は使えませんでした。

しかしネシーナ、エクアという薬剤は透析患者さんでも使用できます。

いずれも容量調節が必要です。

理由としては低血糖の可能性があること。

本来であればこの薬剤は低血糖が起こりにくいのですが、透析の方は薬剤の効果が遷延し、低血糖を起こすことがあります。

また反応性低血糖といって食後血糖値が上がってから急速に血糖が低下し、低血糖になることもあります。

ネシーナは6.25mg。

エクアは25mgから開始して、50mgが上限。

このブログでも取り上げたトラゼンタやテネリアは肝臓排泄型なので容量調節が必要なく、いまや透析患者さんにもDPP-4阻害薬が使いやすい時代になっていると言えるでしょう。

適応すれば。。。

①アマリールなどのスルフォニル尿素剤(SU剤)を使っている場合

②ベイスン、グルコバイなどαグルコシダーゼ阻害剤を使用していても血糖がコントロールできない場合

③少量のインスリンでコントロールしていて、内服治療に変えたい場合。

実際、③の場合で、少量のインスリン(1日総量10単位くらい)でエクア25mgに変えて血糖コントロールが維持されたという報告もあります。

まだまだ、全国的に透析患者さんではDPP-4阻害剤の使用経験が不十分だと思います。

新しいお薬ですので確認しながら安全性を追求していきたいと思います。