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院長の臨床メモcolumn

2013.11.05

透析患者さんでのミルセラの月2回投与

ミルセラは月1回の腎性貧血の薬です。

腎不全や透析患者の腎性貧血に対してミルセラという貧血の薬を注射します。

月1回ということで発売になったミルセラですが、どうも最近月1回では貧血の改善が良くない方に、月2回投与をした方が効果が高いという報告があります。

月1回投与と月2回投与の総量は同じです。

たとえば、月1回ミルセラ200μgとすると、月2回では100μgを2回ということになります。

月2回のほうが貧血改善効果が強く、そのためミルセラの投与量を減らすことができるということです。

今月の透析学会誌にも掲載されていました。

エポ製剤からミルセラに変更し、月2回投与にすることによって、徐々にミルセラの投与量を減らすことができ、それでもヘモグロビン濃度が保たれ、中にはミルセラを休薬できることさえあるとのこと。

この論文ではエポ移行時から研究終了時まで約半分の量に減っていました。

ひょっとすると著者の方も驚いた結果であったのかもしれません。

さらに、鉄剤の使用率が減少した。(鉄利用効率が高いということ)

非常に興味深い論文でした。

透析従事者の方でミルセラに興味のある方はご覧になってもいいかと思います。