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院長の臨床メモcolumn

2011.06.04

透析前の腎移植の相談

腎臓病外来でたまに来られる糖尿病性腎症による慢性腎不全の方が久しぶりに来られました。
通常は他院で通院をしているのですが今回は腎臓の機能が悪化して、むくみが出ているということで来院されました。

1年前に比べて明らかにむくんでいて近々透析も必要と思われました。
血液透析と腹膜透析の話をし、透析を選択するのであれば血液透析を選択されました。

以前から腎移植について考えられており、今回も腎移植を考えらているようです。
ドナーもいらっしゃるようで近々移植専門外来に受診して頂く予定です。

現状では腎機能も悪化してきており全身浮腫があることからまず血液透析を開始して、状態が安定した後に生体腎移植をした方がいいと考えています。腎移植外来とシャント作成を並行して予定を組みました。

アメリカに比べて日本は糖尿病性腎症の腎移植は少なく、まだまだデータとしては少ないようです。
移植後5年を見ると他の腎疾患とあまり生着率は変わらないように思えますが10年に近付くにつれて生着率は低下し再び透析になってしまうようです。
ただ腎移植することによる長所は大きく、糖尿病性腎症といえども血液透析、腹膜透析などの透析以外にきちんと腎移植についても説明をする必要があると思われました。

透析前腎移植の経験はありませんが、せっかく提供して頂ける機会があるのですから是非とも移植し、成功してほしいと思います。