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院長の臨床メモcolumn

2014.10.18

透析中の血圧を安定させる意味

私はモットーは透析中に血圧を下げさせないことです。

適切な除水速度(患者さん側の体重増加量に関係)

適切なドライウェイトの設定(血液、エックス線、エコーなど)

にかなり依存すると思います。

ですから血圧が下がらない透析を行うには双方の協力と努力が必要です。

なぜ、血圧を下げたくないか?

一番は、患者さんがくるしむから。

血圧が下がるとしんどい、苦しい、胸が痛い、こむら返りなどが発生し、透析中だけではなく、透析後にもそのしんどさが続きます。

週3回そのような思いをすることはとてもしんどいことだと思います。

しかし、治療側からすると、患者さんがその分食べたから、飲んだからある程度ドライウェイトまでひかないといけない責務もあります。

飲み食いしたものを引かずに終わると逆に、体の中にたまってしまって、心不全などを起こす可能性があります。

毎回がこの葛藤です。

もう一つ、血圧を安定させたいのは、「尿毒素の洗い出し効率が高まる」からです。

血液透析は血液中の尿毒素を取り除く治療です。

血液から除去するので、体の循環量や体の隅々までの末しょう循環を維持しないと十分除去できません。

血圧が下がると、循環量が低下するため、体の隅々の毛細血管から十分な毒素が除去できなくなります。

血圧を安定させることは患者さんの苦痛や透析への不安を取り除かせ、また尿毒素除去効率を上げる可能性があると思います。