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院長の臨床メモcolumn

2011.12.15

身体の調節能力を感じ取ることができるか?

タイトルを見て何のこと?とおもったことでしょう。

身体には自己調整能力があります。

それに逆らうと体に異変を感じます。

特に急激に逆らうことをすると異変をきたします。

良くあるのが血圧を下げる降圧剤。

突然強い降圧剤を処方すると急に血圧が低下し、しんどくなる。

これは自己調整能力を超えた処方ということになります。

降圧剤も神経に作用します。

降圧剤をいきなり減らすと神経のバランスが崩れてしまいます。

神経のバランスが崩れると倦怠感、立ちくらみ、頭痛などの様々な症状が出てきます。

さじ加減が必要です。

透析治療は長きにわたる治療で、じっくりやっていかなければなりません。

ころころ変えていると、身体もころころ変わってしまい、なかなか調整がつきません。

降圧剤にしろ、ドライウェイトにしろゆっくりと変えていく必要があります。

急なことを除いては患者さんの特徴を考えながら「身体の調整能力」に逆らって治療を推し進めていかないようにしなければなりません。

治療の変更によりしんどくなったか、楽になったか、変わらないか、それを聞くことが重要です。

それを聞いて続けていけるかどうかを検討します。

治療があって、効果が出てくればOKということになります。

数値ではなく、その患者さんの体調に合った治療を心掛けていきます。

僕は患者さんの訴え、状態に対して危険を回避しながら、微調整を行い、身体に無理なく生活できるようにするのが透析回診で重要だと思っています。