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院長の臨床メモcolumn

2011.09.16

足を守るために~LDLアフェレシス~

糖尿病から透析になった方は”足”病変が多く注意しなければなりません。

動脈硬化がひどくなり、足の色が悪くなって、切断・・

なんとかこれは避けなければならないと日頃から強く思っています。

足の血管はとても長く、両方あります。

付け根の血管はまだ広いですが、ひざ下の動脈は元々細いです。

糖尿病の方は特にこのひざ下動脈が細くなっていて、足先までの血流が低下しています。

太い血管であれば風船治療(PTA)を行うということはあります。

しかしひざ下動脈のような細い動脈では風船治療の成功率が低下し、一旦成功したとしても数カ月後にまたせまくなるという報告があります。

ひざ下動脈は3本の枝がありますが、最低1本のみ開通していければ何とか足の壊疽にならずに済みます。

しかし3本とも何かしらの病変がある場合はどうするか?

当院では可能であれば風船治療を行いますが、効果が期待できないと判断すればLDLアフェレーシスという治療を行います。

これは透析のような装置ですが、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールを取ることによって血管が拡張し、血液の流れがよくなるという治療です。

そうすることにより血流不足に陥っていた足先までの血流の回復が見込めるということです。さらに風船治療で届かない細いところまで効果を発揮するので効果に期待を持てます。

もちろん、血流も川と同様、上流の流れをきちんと保たなければいけません。

上流は上流の治療があります。それをおさえた上で下流に対してはLDLアフェレーシスを有効に選択すべきだと考えています。

色んな治療を選択しながら足を守っていきたいと思っています。