(概要)
-透析患者の90-95%に遊離カルニチン濃度が低下している
-低下している原因として
①肉の摂取量が少ない(羊の肉が多いが、牛や豚にも含まれている)
②透析で抜けてしまう。
③腎臓での合成が低下している(主には肝臓で合成)
-カルニチンは骨格筋に主に存在している。
-カルニチン欠乏する症状として一番有名なのは筋痙攣である
(印象)
-透析患者ではほとんどの方で遊離カルニチンが低下している。
-すべての人に対してカルニチン製剤を投与するわけではない。欠乏している症状⇒筋痙攣、貧血、心不全など何らかのサインがあり、血液検査で遊離カルニチンが低下している患者に対して投与される。投与方法は内服と静脈内投与である。
-筋力低下に対してカルニチン製剤が有効と報告されているが、運動療法と重ねると相乗効果がある。カルニチン製剤だけで筋力、持久力上昇の程度は低いと考える。
-心不全、貧血に対して投与することもあり、筋痙攣の治療としても有用であることから、カルニチン製剤が保険適応となったのは臨床的意義は高い。