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院長の臨床メモcolumn

2012.07.26

芍薬甘草湯の注意点

透析中のこむら返り時やこむら返りの予防でツムラあるいはクラシエ芍薬甘草湯を処方します。

私が処方するのはツムラ芍薬甘草湯2.5g(1日3回製剤)か、クラシエ芍薬甘草湯3g(1日2回製剤)です。

どちらも有効だと思います。

先日、1年に1回だけするゴルフに行ってきました。

患者さんに運動と偉そうに言っている割には運動はほとんどできていない日々なのでゴルフに行くと必ず翌日―翌々日に筋肉痛になって階段昇降がつらくなります。

あとは日々の運動不足がたたって体が重くなります。

今年はあらかじめゴルフの前にこの芍薬甘草湯と体を元気づける補中益気湯を飲みました。

またゴルフ後も同様の薬を内服しました。

スコアはとても公言できるものではありませんでしたが、熱く楽しくやってきました。

翌日の筋肉と肉体疲労は昨年に比べて本当にましです。

このセット結構効くという実感です。

本題の芍薬甘草湯の注意点です。

甘草にはグリチルリチンという物質が入っています。

このグリチルリチンを多く摂取するとホルモンに影響を起し、初期症状として、手足のしびれ、筋肉痛、全身のだるさ、疲れやすさ、脱力感(手足に力が入らない感じ)を起すことがあります。

ナトリウムが上昇したり、カリウムが上昇したりします。

病名は偽アルドステロン症といいます。

通常のエキスの漢方薬では上記のようなことにならないことが多いですが、高齢者を中心として芍薬甘草湯を常用していると起こりえます。

透析日のみではなることは恐らくないとおもいます。

偽アルドステロン症が発症するとすれば3か月以内が多いとされています。

芍薬甘草湯の内服には十分に注意しましょう。

特に漢方薬を2剤以上内服している方は注意しましょう。