1錠当たりのリン吸着力が高い非Ca含有リン吸着剤である。
副作用に胃の不快感や嘔気などがあるが頻度は高くない。
ランタンは非生理的な元素であることから、体内への蓄積が懸念されていた。
しかし、消化管からの吸収率が極めて低く、たとえ、吸収したとしても肝臓を経由して単縦中に排泄される。
発売された約15年であるが、アルミニウムのような明らかな蓄積による骨代謝異常は確認されていない。
とはいえ、胃カメラなどをすると胃の粘膜にランタン沈着症を認めることがあり今後も注目していく必要がある。
現在のところは、メリットが明らかに上回るので治療薬の候補としては有力である。
ランタンのリン吸着効果の話に戻るが、
ランタン内服群とプラセボ群と比較した論文がある。
この報告によるとどちらもリンの値は同等であった。
しかし、ランタン群の方が生命予後が良好であった。
なぜか?
ランタン群ではnPCR=タンパク摂取率が良好であったからである。
つまり、たとえリンが同じ値でも、しっかりと食べたのでランタン群で予後がよかった。
しっかり食べて、たんぱく質を摂取しながら、薬(ランタン)でしっかりと心を下げることの重要性を報告した臨床的に価値の高い論文である。