心房細動の脳塞栓予防にワーファリンがよく使用されてきました。
しかし、今はNOACという新しい抗凝固薬が使用されており、ワーファリンを新たに処方する機会は減っています。
しかし、腎臓病を多く見ている私としては実はこのNOACを処方する機会は多くはありません。
理由は、腎臓が悪い方はNOACが使えないからです。
腎臓機能の指標であるクレアチニンクリアランス(Ccr)15未満ですべてのNOACが禁忌です。
推定GFR=Ccrではないので、CKDステージ5だけが禁忌というわけではなく、ステージ4も使用しづらいです。
やはり出血合併症が心配です。
下記の図のように腎機能が悪くなるほど脳塞栓が多くなるのでほおってはおけません。
腎機能が悪い方はNOACを使わず、ワーファリンにしようという流れになっていますが、実は、ワーファリンも禁忌なのです。
何を使っていいいのか?ということになりますが、
ワーファリンは血液検査を見て用量調節しやすく、歴史もあり、さらに使わざるを得ない方がいらっしゃるので、必要に応じて使っています。
ワーファリンも出血に注意しながら調整していくことが求められます。
ただし、CKDステージ3aではNOACを第一選択にしていますので使用しています。
このレベルの腎機能であれば、出血合併症を抑え、しかもワーファリンより効果的だという報告が多いからです。