●XBB株について
・BA-5系統であるが、実際はBA2.10 株(BA2:ステルスオミクロン)+BA2.75.3株(BA2.75:ケンタウルス)
・XBBはグリフォンと呼ばれている。
・流行株はXBB1.16
・伝播力が高くなっている:ACE2受容体への結合が強くなっている
・BA2,BA5罹患者の再感染率:オミクロン初感染から4か月以上過ぎると感染率は上昇するというデータはある。頻度は人口10万人当たり26.4‐42.4%。一度感染しても免疫逃避性があり再感染のリスクはある。
・症状:発熱、咳、咽頭痛、鼻水、味覚臭覚障害などBA-5と大きな変わりはない。
個人的な印象としては、今回はインフルエンザと鑑別が必要な高熱、頭痛が増えているような印象。その場合、咽頭痛は強くない。もちろん、37度台で咽頭痛や咳というパターンも混在している。
・7月でもインフルエンザA陽性を認めていることから、コロナ+インフルエンザ抗原検査は必要な状況である。
・重症度は悪化していない。一部の報告ではBA-5より低くなっている。
・(ワクチンと死亡率)~シンガポールのデータ
50歳未満:ワクチンの有無にかかわらず→0.01未満
50‐59歳:ワクチンなし0.05% ワクチンあり0.01%未満
60‐69歳:ワクチンなし0.24% ワクチンあり0.01%
70‐79歳:ワクチンなし0.44% ワクチンあり0.09%
80歳以上:ワクチンなし2.2% ワクチンあり0.55%
→これを見ると高齢に伴いワクチンの有効性は高まる。80歳以上に関してはコロナに限らず感染症は生命の危機になる可能性はある。