透析患者さんはしばしば足ムズムズ症候群(レストレスレッグス症候群)悩まされます。
安静時、透析中に足がむずむずして、足の居場所がなくなる、ムズムズしすぎて眠れなくなる。
レストレスレッグス症候群(RLS)に対してはオンラインHDF、薬物療法、鉄剤の投与が中心に行われています。
薬物療法は一般的にはビシフロールが投与されますが、透析患者さんでは効きすぎる傾向があり、便秘や眠気が問題となることがあります。
あと、よく使用されるのが、リボトリールです。
眠気は出ますが、比較的残ることも少なく、臨床的には使いやすい薬です。
鉄欠乏の場合は鉄剤を投与します。
鉄を投与することによって鉄代謝が改善し、ドパミンのシグナルを回復を期待します。
ただ、鉄欠乏状態にならないと鉄剤は投与しづらいですね。
今、有効かなあと考えてるのが、リボトリールとベルソムラの併用です。
ベスソムラは最近発売になった、オレキシン受容体拮抗薬で、覚醒中枢を抑えます。
lhttp://www.kitauraclinic.jp/blog/2014/12/post-537-1045430.html
それにより睡眠を誘発する新しいタイプの薬です。
重症分類で重症や重症に近い中等度の患者さんに対して、ムズムズでリボトリールの効果が不十分な場合、ベルソムラ15㎎併用すると、不思議とムズムズの症状はかなりマシになります。
患者さんもムズムズがましになり、さらに夜眠れるようになったと喜ばれます。
しかし、注意なのは眠気です。
ベルソムラが徐々に効いてくると、リボトリールと相重なって眠気が残ることがあります。
この併用療法が長期的に有効かどうかは不明ですが、いい組み合わせだと思っています。