CKDでは貧血にやりやすく、Hb10程度になると貧血治療を開始し、Hb11‐13目標にします。
貧血の中で、大きく腎性貧血と鉄欠乏性貧血があります。
鉄欠乏性貧血といえば、血清鉄、TIBC(トランスフェリン飽和率)、フェリチンを参考にします。
しかし、これらの測定は3か月に1度しか測定できません。
鉄欠乏所見があれば、経口鉄剤を投与します。
鉄が十分であれば、腎性貧血に対してHIF-PH阻害薬を投与します。
しかし、HIF-PH阻害薬で急激なHb変動(過上昇)が起こることがあります。
急激な上昇を防ぐためには、まず、ある程度体内の鉄分の量を保持させていく方が安定しやすいという話が、SMART管理になります。
SMARTではRBCとMCHの2つの項目で管理し、RBC330-380万、MCH30-35 で管理します。
貧血を見たら、まずMCHを見る。
30以下であれば鉄剤投与を検討する。
場合によっては30‐35でもまず、鉄剤の投与を検討し、その後、MCHが頭打ちになり、貧血があればHIF-pH阻害薬を開始する。
MCHを最大化し、安定化したのちにHIF-PH阻害薬を投与し、そのあとも鉄剤やHIF-PH阻害薬を調整していく方法がSMART管理といわれています。
(新薬と臨床、Vol70,No12,2021,1479-1494より抜粋)