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院長の臨床メモcolumn

2024.08.03

微量アルブミンの大切さ

腎臓病で進行すると尿蛋白が出現します。

尿蛋白が長く、多く出現すると、慢性腎臓病が進行します。

(尿蛋白が陰性の方もいますが)

尿蛋白は一般的に、「-」とか「3+」とかで評価します。

しかし、詳しく経過を追う場合は、尿蛋白定量(gや㎎)の測定を行います。

尿蛋白より、さらに早く発見しようと思うと、「微量アルブミン尿」を測定します。

ただ、これは糖尿病の方でないと保険適応にはなりませんので測定できません。

この図を見ると、尿アルブミン(UACR)が高くなればなるほど、心臓病にもなりやすくなるというデータです。

Association of estimated glomerular filtration rate and albuminuria with all-cause and cardiovascular mortality in general population cohorts: a collaborative meta-analysis

つまり、微量アルブミン尿を発見、治療することにより腎臓病だけではなく、心臓病の予防になるのです。

微量アルブミン=早期発見ともいえます。

微量アルブミンに対しては治療効果(例えばSGLT-2阻害薬、MRAなど)の効果が期待できます。