はじめての方も
お気軽にご相談ください

院長の臨床メモcolumn

2023.06.06

寝だめは必要?

睡眠は日々の睡眠不足を補っている。

覚醒中に睡眠物質は脳内に蓄積し、それを返済していくのが睡眠である。

つまり、睡眠物質がたまっていないと返済できない。

寝だめは睡眠物質を返済していく行為となる。

ただし、脳が睡眠が足りているか、不足しているかを判別し、返済していく必要があるのかどうかというメカニズムはわかっていない。

睡眠物質の一つがアデノシンである。アデノシンが蓄積すると眠くなり、睡眠でアデノシンが分解する。

近年では、アデノシンをノックアウトしたマウスでも正常に睡眠することからアデノシンの蓄積では睡眠を解決できているわけではない。

また、睡眠や覚醒の制御は脳全体だけではなく、言語や感覚など局所領域も関与している。例えば、大脳皮質が覚醒中に過度に活発化していると睡眠負債になる。

睡眠でたまった老廃物の処理はノンレム睡眠中の処理される。

睡眠負債はアデノシンの蓄積、シナプスの強度、老廃物などが関与している可能性がある。

睡眠に関しては不明なことが多い。

何時間寝たら負債が取れるかどうかもわからない。

睡眠負債や寝だめなど睡眠時間にこだわると、不安になることもある。正解がないのだから。

正解があるとすると自分の感覚かもしれない。

眠気を感じずすっきりと過ごせたらそれでいいとは思う。

仮に日中に眠気が来た場合は、15-20分程度の睡眠でノンレムに完全に入ってしまう前に起床をすればいいかもしれない。