本日午後、腎性貧血の研究会の司会を行ってきました。
〇地域におけるCKD診療の取り組み
・DKDのステージごとの治療方針
・尿毒素と慢性腎臓病、心血管イベント
→尿毒素の貯留により炎症性サイトカインが産生され、炎症惹起し、血管石灰、動脈硬化の危険性、腎炎、腎線維化を促進
→治療法として、クレメジンがある
・クレメジンはステージ4程度から開始。末期腎不全や生存率抑制では有意差はなかったが、GFR低下など腎機能進行速度を抑制する可能性がある。
・腸腎連関
→腸内での尿毒素によりCKDにおける炎症や繊維化が促進される。
・CKDステージ4,5における酸化マグネシウムでの血管石灰化抑制効果
→有意に投与したほうが石灰化促進が抑制されている。Mg濃度も2.0→2.3と軽度の上昇のみ。
〇新しい腎性貧血の治療戦略の講演
・腎性貧血の頻度:CKDステージ3bで18%、ステージ4で40%、ステージ5で60%
しかし、ESA使用率はそれぞれのステージで0.7%、7.9%、22.5%と低い
・CKDではHb10未満でCVDリスク上昇。
・一方で、Hb高濃度でもCVDリスクは高く、高ESA量でもCVDリスクが高い。
・鉄代謝の説明
→TSATにかかわらず、鉄が低いと、貧血のリスクが上昇する
・HIF-PH阻害薬について
→年齢、性別、栄養状態、Hb、GFR値、CRPにかかわらず、投与量は安定。
→投与後MCV上昇し、赤血球の質も向上する可能性がある。
・バフセオ®の治験やご経験のご説明