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院長の臨床メモcolumn

2024.06.15

副甲状腺ホルモンと骨折

慢性腎臓病の方や透析をされている方は二次性副甲状腺機能亢進相となり、副甲状腺ホルモンであるPTHが高くなります。

PTHが高くなると、骨を削る骨吸収と骨を作る骨形成の回転が速くなり、結果的に骨量が少なくなり、骨がもろくなります。

データでもPTHが高いほど骨折のリスクが高くなります。

透析医学会ではインタクトPTHの目標値は60-240と定められています。

つまり、240以上になればなるほど骨折リスクは高くなるということです。

では、60以下はどうなのか。

60以下では低回転となり、無形性骨ともいわれています。

これはこれで骨がもろくなるといわれていますが、実際骨折の可能性が高くなるかどうかという点では明らかではありません。

生命予後の観点ではPTH60-240 にするべきではありますが、極論では高い方より低い方がましということは言えそうです。

とはいえ、せっかくガイドラインがあるので、カルシウムやリンと並行してPTHをしっかりと管理することが重要です。